20分で結える新日本髪で優雅さ極める! 自分結い 大江戸和髪隊のスゴ技

記者: Mari Watanuki

手軽に日本髪を楽しみたい。そんな願いをかなえてくれるのが新日本髪の「和髪」です。ヘアゴムを使った和髪なら、簡単に自分で結い上げることができます。しかも、鬘ではないので、自分で調節して顔型に合う形にすることができるんです。ご教授いただいたのは銀座を拠点に和髪の歩く広告塔となって活動する大江戸和髪隊の皆さん。昨年、和髪普及のための研究会を立ち上げて1年で会員100名超えの人気を誇るまでになりました。本日はそんな新日本髪の和髪と研究会の活動をご紹介します。

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これは、艶やかですね。しかもこんなに大勢の和髪の女性たち、いったいどこかといいますと、神田明神。2年に一度の神田祭の行列に初参加の大江戸和髪隊の面々総勢60名です。希望者はもっと多くて100名超えだったそうです。参加された皆さんこの笑顔!です。

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皆さんが和髪を習っているのは東銀座の駅近くのサロンで毎月第2火曜に行われている「自分結い 大江戸和髪隊」の研究会です。

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会は会長の島田史子さん(中央)、事務局長 林良江さん(左)、そして藤野紀子さん(右)がオリジナルメンバーで昨年6月からスタートしました。翌月には10名、そして、今では100名を超える会員が集っています。きっかけは昨年2月名古屋和髪隊の勧めで、藤野さんと林さんが「大須お化け行列」に和髪の着物姿で参加したことです。そして、島田さんの銀座のサロンを研究会として和髪の良さを発信することになったのです。

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ちなみに、後ろ姿はこんなです。帯が美しい着物ですから、和髪にするともっと引き立ちますね。

さて、レッスンは11時から三々五々が集まって、慣れた人が新人の方の和髪を結っていきます。それが終わると今度はマネキンの頭を使って自分で結うので正味一時間くらいかかります。その後、午後3時から結った和髪を披露するために皆で街に飛び出します。

では、いよいよ和髪を結っていきます。
用意するものはヘアゴム、柄の長い櫛、カモジ(毛たぼ)x5つ、スティック状びんつけ油、Uピン、アメピン、ヘアスプレー、仮止め用のダッカールピン。それに髪飾りの鹿の子、櫛、かんざし、ちんころ(鹿の子より細くて短い紐)。

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本日の新人さんは教室一番乗りの澤さん。毎年初夏のドイツに出向いて現地の日本祭りで着付けをしている着物の先生です。ご自分でアップされたという髪を解いて、基本形の和髪「お福」に挑戦します。

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和髪は5つのパーツからなっています。まず、「前髪」と左右の「ビン」、後ろの「タボ」、そして頭頂部の「根(ネ)」。最初に根以外の部分をヘアゴムで留めておきます。次にそれぞれ順番に詰め物となるカモジをいれて、頭頂にひとまとめにしてヘアゴムでしっかり留めます。

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一つにまとまった髪は根の部分になりますので、そこにもカモジをいれて留め、ヘアゴムの回りに鹿の子を飾り付けます。

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前髪も同様に括り付け、チンコロという短い紐や櫛を挿します。スティック状のびんつけ油で撫でつけるとおくれ髪が簡単にまとまり落ちません。ここまでで、15分。藤野さんは、手際がよいので、このくらいですが、20分くらいが目安です。最後にスプレーでしっかり固めてかんざしを挿して、ハイ、出来上がり!

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いかがですか。どの方向からみてもステキな和髪ですよ。髪に優しい表情が出て、魅力度アップしたと思いませんか?和髪を結うタイミングは長襦袢を付けた後ということでした。そうすれば、身軽ですし、着物を汚すこともありません。

そして次に自分でマネキンの頭を結っておさらいします。完成したのがこちら。これで、油をつけてまとめれば、もっとしっかり左右が張った形に仕上がるそうです。

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おでこやあごなど普段髪で隠れている部分まで全部露出してしまうことに抵抗があった記者は、なにか手だてがないか、隊長の島田さんに伺ってみました。会長は長年澤村宗十郎の番頭を勤めた歌舞伎通です。

「澤村宗十郎は、人は自分の欠点を隠そうとするけれど、それは全部出してしまった方がよい。そうすれば、別のところに目がいって気にならないものだと言っていました。」

そして、和髪を自分の顔型に合わせるコツや表情を出すのは意外に簡単です。

「前髪を高くすると顔が細く見えます。また、左右のビンを上の方に持っていくと幼く見えるし、下のほうにすると大人っぽく、色っぽくなります。ビンのふくらみを前の方にもって行ったり、後ろに引いたりと調整はいくらでも効きますから、どれが自分に合うのか試してみたらいいんですよ。」

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そこで、改めて皆さんの髪形を見ると基本の「お福」の結い型は同じですが、それぞれ自分に似合う形になっています。そんなことが気軽にできるのがこの和髪の良いところです。

さあ、全員、髪も結いあがったところで、いざ、歌舞伎座へ。
歩いてすぐの歌舞伎座につくと観劇や観光の方々が思わずカメラを向けてきます。髪が決まった皆さんはまるで女優のようですね。

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参加者は20代から80代の社長さん、会社員、主婦等職業はいろいろ。80代の女性は「子供の頃を思い出して気持ちが弾みます。」と笑顔で、また、別の方は「ここに来ると女性のパワーを感じて元気になります」とおっしゃいます。下した前髪が可愛らしい青年部長、高野さんは、結婚式には必ず日本髪に着物で参列しているそうです。和髪への思いを募らせる皆さん、和髪の普及や研究に自然と熱がはいります。そして、それはすでに大きな成果をあげています!

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それが神田祭りに続く、今年の7月に開催された「江戸着物ファッションショー」(企画・制作 西畑真矢氏)です。和髪隊のメンバーの伊藤さん(中央の紫の着物)がいろいろな日本髪が結えるということもあって短期間のうちに江戸時代の日本髪を再現。会員がモデル役を勤めました。

そして、今年の秋、会に新たな目標ができました。それが、オリンピックに出場すること!大きな目標です。
そのためには、若い方たちにも、もっと着物文化の良さを伝える必要がありそうです。

ここでお知らせです。来月11月4日、大江戸着物ショーで披露した髪型の実演「江戸時代の髪型を再現」という講座が行われます。兵庫髷、元禄島田、勝山髷、片外し、島田勝山、島田などを目の前で結い上げる様子がご覧いただけますよ。詳しくはHPでご確認ください。

自分結い 大江戸和髪隊 和髪研究会
URL:http://www.wasoubi.jp/event.php
(事務局長 林さんのHP)

*神田祭り・江戸着物ショーの写真は大江戸和髪隊事務局よりお借りしました。